あなたは多摩市一ノ宮公園にある大きな木の名前を知っていますか?
ぼくは25年間ずっと、百日紅(さるすべり)の木だと思っていました。
あの木を百日紅と勘違いしたのは、ぼくが多摩市に引っ越してきた1999年のある出来事にさかのぼります。
1999年のあの日、ぼくは初めて多摩市一ノ宮公園を訪れました。
あの頃の多摩市には、ブリリアどころか連光寺のパシーナさえもありませんでした。
一ノ宮公園は、台風や大雨で遊具などが流されてしまい更地のようになっていますが、当時はすべり台や砂場があって公衆トイレもありました。
夏には、調布や立川に匹敵する大花火大会があったのもよい思い出です。
最近になってようやく「せいせきカワマチ」で再開発が進んできましたね。
初めて訪れた一ノ宮公園で、最初に目に飛び込んできたのは、河原にぽつんと立っている赤ともピンクともいえぬ不思議な花が咲いた木でした。
見たことのない花にぼくはカメラを向けました。
そんなぼくに初老の男が話しかけてきました。
男 「こんにちは! この木、スゴいでしょ」
ぼく「はい、スゴいですね」
男 「一ノ宮公園のシンボルなんですよ」
ぼく「へえ」
男 「ちなみに何の木かわかりますか?」
ぼく「いえ、ちょっとわかんないですね」
男 「百日紅(さるすべり)の木、何ですよ!」
ぼく「……え?」
男は百日紅の木だといいますが、ぼくはそれは違うと思いました。
なぜならぼくが幼少期に育った家に、百日紅の木があったからです。
ぼく「いや、百日紅とは違うと思うんですが」
男 「何で!?」
にこやかに話していた男が急に声を荒げました。
でも、違うものは違います。
ぼくは毎年、庭の百日紅の木に登って育ちました。
ほんとに猿がすべりそうなつるつるした綺麗な幹で、おじいちゃんに「てっぺいは猿よりスゴいなあ」とほめられたのを覚えています。
でも、この木は何というかギザギザでとても猿がすべるようにはみえません。
ぼくは、実家に百日紅があったこと。
おじいちゃんに教えてもらったことをその男にいいました。
男 「それはねえ、あんたのおじいさんが間違えてるんですよ」
ぼく「……いや、でも」
男 「あんた、多摩市にいつから住んでます?」
ぼく「……今年来たばかりで」
男 「ほら! 私はあんたが来る30年は前からここに住んどるんですよ!」
ぼく「いやでも、それとこれとは関係ないような……」
ここで男は大きくため息をつきました。
男 「あんたねえ、年長者のいうことは聞くもんですよ」
ぼく「あ、はあ。すみません」
そのときぼくは、あろうことかこう思ってしまいました。
「……そうか、これが百日紅の木だったのか」
そして25年の月日が流れました。
その間、ぼくはこの木をずっと”百日紅(さるすべり)”と呼んでいました。
子どもに「あの木、何ていうの?」と聞かれたら「ああ、あれは百日紅だよ」と答えました。
トレッペのSNSにも「一ノ宮公園の百日紅めちゃきれい!」なんて上げていました。
つい先日、今年も百日紅(仮)の花が咲いたと聞いて、写真を撮りに行きました。
背景には新しいマンション群、昔と違う景色ですが
「んー。やっぱ綺麗だな」
百日紅は美しい花を咲かせていました。
画像を確認していてふと思いました。
ぼくはiPhoneを使っているのですが
「そういえばこの”画像を調べる”ボタン、押したことないな」
写真アプリの下の方にある、動物や植物の名称を調べられるマーク、そのマークを何の気なしに押してみました。
すると――
おい!!!!!
夾竹桃やないか!!!!!!!!
※その後、(スマホでですが)夾竹桃と百日紅を比較して、子どもの植物図鑑も使って確認しました!
25年前のあの日、ぼくはじいさんの圧に押されて間違った知識を定着させてしまいました。
いや、でもこれはじいさんのせいではありません。
(そもそもじいさんのせいにしたくても25年前のことです。もしかしたらじいさんはもう……いや、皆までいうまい)
人から学ぶのはいいことですが、学びっぱなしにしてはいけません。
その知識が正しいのか、自分で調べて、自分の頭で考えて、学習は完成します。
(やっと塾のブログっぽくなってきた笑)
年上の人がいったから、偉い人がいったから正解だとは限りません。
みなさんも、自分で調べて自分の頭で考える習慣を身につけましょう!
以上、
【全謝罪!】一ノ宮公園の大きな木の名前を知っていますか?【今すべての多摩市民に捧ぐ】
のブログでした。
【余談①】
小学二年生のときの担任の先生が、
「いいかお前ら、漢字というのは『`』が一つあるだけで、全然違う字になることがあるんだ!」
「たとえば”うすい”という漢字、点を一つつけただけで”しゅっせきぼのぼ”になる!」
こう教えてくれました。しかし――
”うすい”は”薄”
”しゅっせきぼ”は”簿”
ですよね。
『`』の有無ではなくて、正しくは『くさかんむり か たけかんむり』でかんむりが違っているのです。
先生が教えてくれたことですから、当時のクラスメイトの中には間違えたまま覚えている人がいるかもしれません。
そしてもしかしたらそれを子どもに伝えているかも……。
【余談②】
16年前の出来事です。
ぼくは職場の先輩と野球の話をしていました。
ぼく「沖縄尚学の東浜(ひがしはま)くん、プロ入りしますかね~?」
先輩「ひがしはま? ああ、とうはまのことか。読み方、間違えてるぞ」
先輩は別の野球好き上司を呼びました。
先輩「おい、内海がとうはまのこと、ひがしはまなんて読んでんだよ」
別の先輩「え~!ほんとですか! とうはま、甲子園優勝投手だぞ」
みなさんご存知の通り、これは今もソフトバンクホークスで活躍されている東浜(ひがしはま)投手の話です。
このように、年長者、教える立場の人が間違えることはちょいちょいあります。
ぼくにもちょいちょいありますし、学校の先生やお母さんお父さん、ネットや本が間違えていることだってあるでしょう。
でも、人間は間違える生き物です。
間違えた知識を覚えてしまったとしても、もういちど覚えなおせばいいだけです。
むしろ、一度間違いを経由したことで「記憶が強化された!」までありますよ。
おかげでぼくは、薄と簿の区別ができるようになりましたし、
東浜(ひがしはま)投手の名前もしっかり心に刻みました。
――そして、
夾竹桃(キョウチクトウ)のことも、二度と間違えることはないでしょう!
ぼくのSNS、あるいはぼくと話した人経由であの木を百日紅(さるすべり)だと認識されていた方がいらっしゃたら本当に申し訳ございません。
今、すべての多摩市民にこの言葉を捧げます。
「多摩市一ノ宮公園の大きな木は夾竹桃(キョウチクトウ)!!!!!」
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