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野球観戦をする人は、“ギアチェンジ”という言葉を聞いたことがあると思います。
強打者やピンチを迎えたときに、
ピッチャーは点を与えないように
より一層の力をこめて投球するのですが、
その様を“ギアチェンジ”したと表現することがあります。
たとえば――
田中将大投手が東北楽天時代に24勝したときや、
ランナーを出してもなかなか崩れないジャイアンツの菅野智之投手。
2020年でいうと広島東洋カープの新人投手森下暢仁が、
ランナーを背負うたびに球威が増して“ギアチェンジ”しているといわれました。
ピッチャーは、全打者全投球に全力投球していると、
体力も精神力も持ちません。
ですから、よいピッチャーは勝負どころを見極めて“ギアチェンジ”をします。
じつはこの、“ギアチェンジ”をする力は勉強にも必要なのです。
たとえば数学のテスト問題。
(ここではわかりやすく東京都立高校の数学入試問題を想定します)
全問題に全力で臨むと、まず時間が足りません。
ここで野球のピッチャーのように、“ギアチェンジ”をする力が必要になります。
強打者となる問題を見極めて、そこに力を注ぐんですね。
では、数学における強打者とはどんな問題なのでしょうか?
ここで、2020年10月25日に実施された『Wもぎ 都立そっくりテスト』
の正答一覧表をご覧ください。
大問1が計算を主にした小問集合。
大問2が数と式の文章問題。
大問3が関数。
大問4が平面図形。
大問5が空間図形。
注目してもらいたいのは、いちばん右の「受験生正答率」です。
大問1の小問集合には、80~90%台の高い正答率の問題が多く、
大問2~5の最終問題は難問ぞろいです。
とくに大問3と大問4の最終問題は、それぞれ4.2%と3.9%で、
ほとんどの受験生が解答できないハイレベルな問題になっています。
さて、ここでみなさんに質問です。
この一覧表の中から、“ギアチェンジ”して挑むべき強打者を教えてください。
答えは――
大問1の小問集合 ですね。
中には、正答率4.2%や3.9%の難しい問題を強打者だと判断した人もいると思います。
ですが、難しい問題はほかの受験者も間違えるのでそれほど影響はありません。
一方で正答率の高い基本問題は、ほかの受験者が正解しているので、
ここで間違えると大きな差がついてしまいます。
つまり――
一見強打者に見える難しい問題は、野球でいうと下位打線で、
最初の基本問題が警戒すべき強打者ということになります。
そう、今回例に挙げた都立入試の予想問題もそうですが、
だいたいの数学のテストは開いてすぐに強打者が並んでいるつくりになっているんですね。
このことを知ったあなたはもう大丈夫!
テスト問題を開いたらすぐに、
あなたが思い浮かべる強打者の顔を思い浮かべてください。
この話を教室でしたら、野球部の生徒さんが柳田悠岐選手と山川穂高選手の名前を挙げてくれました。
ぼくにとっての強打者は、……今は解説者をされている前田智徳選手ですかね。
以上、『プロ野球が好きで数学が苦手な人は“ギアチェンジ”で点が取れるようになる!』のブログでした。
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